
プロフィール
日本に生まれる。4歳の頃よりピアニストの母からピアノの手ほどきを受け、多数のコンクールにて受賞。名古屋市立菊里高等学校音楽科卒業後、東京音楽大学ピアノ演奏家コースを経て、ミュンヘン音楽演劇大学マイスタークラスを首席で卒業。ウィーン、ブタペスト、ヴァルセシアでのマスタークラスに参加。これまでに、ゲルハルト・オピッツ、ヴィンツェンツォ・バルザーニ、ファルバイ・シャンドール、ミヒャエル・クリスト、弘中孝、宮崎和子、渡辺健二、桐山春美、加藤徹各氏に師事。
ワルシャワフィルコンサートマスターと演奏したチャイコフスキーのピアノトリオが高く評価され、ワルシャワ音楽院への招待を受ける。ミュンヘン音大在籍中にブラームスのピアノ協奏曲第一番を演奏しドイツデビューを飾り、卒業後はミュンヘンを拠点に演奏活動を行なっている。これまでに、バード・ライヒェンハル響、ウルム・ノイウルムオーケストラ、エルツゲビルゲ響と共演、室内楽ではシュテファン・コンツ、エマヌエル・グラーフ、インゴルフ・トゥルバン、マルクス・ヴォルフ、ウェン=シン・ヤンらと共演。
ミュンヘンと日本で行なっているソロリサイタルシリーズやライフスタイルイベントの他、ホルツハウザー音楽祭、サヴァリッシュ音楽アカデミー(ドイツ)、アローザ音楽アカデミー(スイス)では講師、アドバイザーを務めている。大阪国際コンクール審査員。サヴァリッシュ財団日本代表。
オーディオ
「魔法の質問」のマツダミヒロさんとワカナさんのiPodキャスト「ライフトラベラーズカフェ」の公開収録@梅田蔦屋書店
音楽つれづれ
子供の頃の記憶の中で、深く印象に残っている音楽との出逢い。
両親が行く予定だった演奏会に、自分が父と一緒に行きたいと言い張った、5歳の時の思い出です。その夜の演目であったベートーヴェンの交響曲第9番は、子供心にも衝撃的で、あの原体験あったからこそ、後にドイツへの音楽留学を決心できたのではないかとさえ思えます。
高校から音楽の道に進むことを決め、その意味をはっきりと自覚していたわけではありませんでしたが、その道を歩み続けた事で、多くの素晴らしい出逢いに恵まれました。
当時はピアノの練習の傍ら、好奇心に導かれるままに、未知の世界を探求する事も楽しく、宇宙、歴史、宗教、意識、哲学、心理学など、様々な分野からインスピレーションを受けました。
外国で暮らすようになり、好奇心はいつの間にか、共感に変わっていました。国、人種、文化背景を問わず、私たちが皆同じように、生きていく中で喜びと悲しみを味わい、優しさを求め、憧れを抱いて恋に落ち、失望して傷つき、思いやりや安心感で繋がっている、ということは同じです。
歴史的な建築物や有名な美術作品の原画など、実際に見ることができたのも、貴重な体験だったと思います。20年以上住んでいる南ドイツの豊かな自然からも、たくさんのエネルギーをもらっています。五感全てを通して、もしかしたら第六感でも、それを受け取っているのかもしれません。
また、尊敬する音楽家達と一緒に音楽を作っていく際には、楽譜に綴られている音が、躍動的な音楽に変換される、魔法の瞬間に立ち会えます。
作曲家があたかも側に立って、生きて呼吸をし、生き生きと物語を語っているかのように感じられて来るのです。音楽は言葉以上に雄弁に、ストレートに伝えてきます。
この様な事を考えながら、あの原体験の記憶を辿ると、あれは、ベートーヴェンや、オーケストラの演奏家たち、そしてもっと多くの魂との出逢いだったのかも知れない、という気がしてくるのです。
人と人の心が内奥で奏でるハーモニー、「魂の共鳴」にこれからも耳を傾け続け、その美しい輝きを音楽に乗せて、届けて行きたいと思います。
サヴァリッシュ 朋子
